早実すうけん! 活動報告 2020 JMO 体験記(予選)

2020 JMO 体験記(予選)

数学オリンピック(JMO)、ジュニア数学オリンピック(JJMO)参加した方お疲れさまでした!!
 僕は現在高校2年生(2020年4月から高3)で、来年は受けれない(※1)ので、今回がラストの数オリでした。その感想を残しておきたいと思います。何かの参考になるか分かりませんが、読んで頂けたら嬉しいです。偉そうなことを言える実力もありませんが、後日JMO予選通過の近道についても記事を書こうと思っています。

 本選の話だけ読みたい方はこちらから

1.予選まで

 初めてJJMOを受けたのは中2のとき。その時は予選通過ラインに1点足りず予選落ち。中3のときはある程度勉強をしていって、見事予選通過ラインプラス1点で通過出来ました。ただ本選は対策の勉強をしてもほとんど何も解けず、おそらく0完でした。まさに4時間かけて椅子を温めただけ()
 

 高1のときは通ったらいいなあくらいの気持ちで勉強してたら、またしても1点足りず予選落ち。
 高2になって最後の数オリで予選落ちしたら悲しいなと思い本気を始めました。

 中学生の時は数学研究会はまだ同好会にすらなってなかったのですが、高校生になるときに申請が通って、同好会になり、JMO,JJMOを受ける人数もだいぶ増えていました。部費を使って対策用の本を購入。使用したのはこちら↓

  • 組合せ論  パーフェクト・マスター
  • 代数・解析 パーフェクト・マスター
  • 初等整数  パーフェクト・マスター
  • 平面幾何  パーフェクト・マスター
(鈴木晋一 編著、日本評論社 発行)

 とても有名なシリーズですし、すでに持っている方も多いかもしれません。

 自分はこの中でも初等整数と代数・解析を特に重点的にやりました。もちろん全部やれれば一番いいのでしょうが、平面幾何がとても苦手ということと、この時すでに12月になってしまっていたので、的を絞りました。この本には日本に限らず世界中の数オリの問題が載っていて、問題のレベルが表記されています。初級、中級、上級と難しくなっていくのですが、自分は中級問題を特にやりました。

 JMO,JJMOは序盤の簡単な問題を全部解いて、中盤の問題を半分くらい取ると予選通過できます。人によってどこまでが序盤でどこからが中盤かは違うと思うので、あくまでイメージですが。

 そう考えると、すべての分野を均等に少しずつやるより、この分野なら少しくらいひねりが効いてても、中盤で出されてても解いてやるぞ!という分野を作るほうが強いのではないでしょうか?

 あと、もう一つ大事だと感じたのは友達や先輩後輩と一緒に解くことです。「いや、本番では一人で解くんだから…」と思う方もいるかも知れませんが、一緒に解くと自分ひとりでは気づかないような解き方というかアプローチを見つけることが出来ます。

 一緒に解くことで張り合いが出るのも良いかもしれません。受験は団体戦ではないかもしれませんが、数オリは団体戦だと感じました!(?)

 あれこれと言いましたが、結局重要なのは

  • 基本が解けるようになったら、得意な分野に絞って
  • いろいろな解法やアプローチに触れる

ことだと思います!

2.予選当日

 いよいよ、予選当日の1月13日!問題はJMO予選問題(2020年)から

 予選は3時間で12問が出題されます。時間が長いので飲み物の持ち込みが許可されています。糖分を補給するためにスポーツドリンクなどを持ち込むと良いかと思います。それと普通にお茶の2本を持っていきました。

 解き始めてみると、1~5番は時間をかけながらもなんとか解けました。

 ただこの時点で1時間近く経過していました。というのも例年予選通過ラインは5,6点ということもあり、1~5番が解けていればあとは2問ほど解けば確実に予選通過するはずだからです。

 しかし、序盤が例年より簡単な上に中盤でも例年に比べればかなり簡単なことに気づき、「今年はボーダーが高い年だ!」ということに気づきました。

 そこで、大急ぎで7,8,10,6,9番の順で解きました。ただ解いたとは言っても6は厳密に証明できないまま感覚で答え、9についても予想で書いただけです。

 このときには残り1時間を切っていて、ここから見直しを始めます。すると1,4,5,9番の問題で計算ミスを見つけました!

 どんだけミスしまくってるんだよと言われそうですが、JMOというのはそういうものだと思います。12問全て同じ配点。序盤で計算ミスをしようが、最後の難しい問題をなんとか解いて、少しだけミスをしてもその瞬間に0点です。めっちゃ恐ろしくないですか?

 見直しの大切さを噛み締めたところで、時間が終了しました。

 結果は9問正解!!

 今年のボーダーは例年より高く8問でした。やはり少し簡単になってたのですね。 予選を受ける人は毎年5000人ほどいて、その中の200~300人が予選通過して本選へと進みます。10問、11問正解した人は合計で40人ちょっとだったので、点数だけで言えば自分は50位に入ったことになります。(同率がたくさんいるのであまり意味はないのですが)

 パッと解けたと思った8番は解けていませんでした。あまり詳しく書いてしまうとこれ以降解く人に申し訳ないのですが…
 a₁~a₅=1,2,3,4,5としたのが間違いだったようです。答えを聞いたときは「いや、分かるかよ」と思ったのですが、早実でも同じ間違いをした人、正しく正解を導いた人がいて、やはりそれぞれ考え方が違うのだと感じます。

 余談ですが、12番は答えを2つまで絞って、二択を外していました。正解できる確率は2分の1なので正解できるような気がしたのですが…でも希望的観測で書いた6番は正解していました。完璧な解答でなくても、何かしらの答えにたどり着くことも最終的には必要なのかもしれません。

 ここまで読んでいただきありがとうございました!! だいぶ長くなってしまったので、本選の話はこちら↓から!

JMO体験記(本選)

(補足)
※1…高3でも受けることは出来ます。早実からも高3で予選通過者がいました。しかし、春合宿及びIMOに参加することは出来ません。加えて自分は受験を考えているので、来年は受けません。

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